NEW 2021/10/07 みまもり高齢者 一人暮らしをする高齢者は年々増加しています。現在、遠方で離れて暮らす親の生活に不安を感じ、同居を考えている人もいることでしょう。この記事は、高齢の親との同居を検討している人に向け、同居のメリット・デメリットを解説します。また、同居をする際の注意点やトラブルの回避方法についても紹介していますので、ご参考にしてください。 目次 一人暮らしの高齢者が増えている 高齢の親と同居する理由 高齢の親と同居するメリット・デメリット 同居してトラブルになる事例もある 同居を選択するときの注意点 同居時のトラブル回避方法 同居以外の選択肢もある まとめ 一人暮らしの高齢者が増えている 65歳以上の一人暮らしの高齢者が増えています。内閣府の「令和3年版高齢社会白書」によると、2015年の65歳以上の一人暮らしの男性は約192万人、女性は約400万人でした。1980年時点で、男性が約19万人、女性が約69万人であったことと比較すると大幅に増加しています。 内閣府の試算では、2020年の一人暮らしの高齢者の人口は、男性が約243万人、女性が約459万人です。また、2030年には男性が約294万人、女性が約502万人、2040年には男性が約356万人、女性が約540万人と、さらに増えていくと予想されています。 ※参考:令和3年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)|内閣府 高齢の親と同居する理由 高齢の親と子が同居する代表的な理由は、それぞれ異なります。 子ども側の理由としては、親の健康や暮らしに対する不安や、「配偶者が他界したので寂しそう」「身の回りの世話をしたい」などの理由が多く挙げられます。また、同居によって生活費を節約したい、家事や炊事をサポートしてもらえるなど、自身の利便性を理由に挙げる人も少なくありません。 一方、親側の理由は、いざというときの安心感があることや、遺族年金だけでは暮らせないなど、生活の不安を理由に挙げる人が多いのが特徴です。 高齢の親と同居するメリット・デメリット 高齢の親と同居することは、メリットとデメリットの両面があります。それぞれについて、解説します。 メリット 高齢の親と同居するメリットは、生活を助け合えることと、親の面倒をみやすいことです。 たとえば、親と家事を分担したり、育児をサポートしてもらえたりするのはメリットです。また、生活を共にすることで、光熱費や食費など、生活費を抑えることもできます。健康に不安がある高齢者がいる場合には、何かあったときにすぐに対処できる同居は安心です。 デメリット 高齢の親と同居するデメリットとして多くの人から挙げられるのは、お互いのストレスです。1つ屋根の下で生活を共にすると、プライバシーを確保できないことや生活リズムが違うことに、ストレスを感じる人が多くいます。 特に、血のつながりのない家族の間では、このストレスを互いに強く感じることがめずらしくありません。小さな文化や価値観の違い、性格の不一致などが、大きな苦痛になることがあります。 同居してトラブルになる事例もある 要介護状態の高齢の親と同居していると、深刻なトラブルに発展することもあります。 要介護2のアルツハイマー型認知症・82歳の母と同居介護を始めた家族は、徘徊行動などで強いストレスを溜め込むようになり、母親を怒鳴るようになってしまいます。互いの信頼関係が破綻したため、結局、施設に預けることになりました。 また、要介護1の耳が遠い85歳の母と同居介護を始めた50代の息子は、怒りを抑えられなくなったといいます。親孝行で始めた同居であったのに、つい罵声を浴びせてしまう自分に日々悩んでいます。 同居を選択するときの注意点 ここでは、高齢の親と同居する際の注意点として、同居を始める前にチェックしておく項目や必要になる考え方を解説します。 本人に意思確認をする 同居を選択する際は、親に意思確認をしましょう。子ども側が同居を希望していても、親が望まない場合があります。 たとえば、体がまだ動くので、子どもとその家族に迷惑をかけたくない親がいます。また、住み慣れた家や場所を離れることに、不安を感じる親もいるでしょう。高齢になってから、ストレスを感じやすい嫁と姑の人間関係を築きたくない親も少なくありません。 生活リズムや価値観が違うことを理解する 長年離れて暮らしていると、いくら親でも他人のようになることがあります。まして、義理の家族ならばなおさらです。たとえば、テレビの音量や食事の好み、寝起きの時間などでも、いちいち違いを感じます。 高齢の親に、いまさら日常習慣を変えるように頼むのは無理があります。最悪の場合、心身の不調につながってしまうでしょう。生活リズムや価値観が違うことを前提に、同居を考えるべきです。 困ったときに相談できる窓口を知る 親側と子ども側のそれぞれに、相談できる窓口を用意しておくことが大切です。特に介護が始まる場合には、親のかかりつけの病院や主治医などを、事前に把握しておきます。 また、介護について相談できる地域包括センター、市町村の介護保険の担当窓口などの機関も知っておきましょう。電話で気軽に悩みを打ち明けられる民生委員も頼りになります。 同居時のトラブル回避方法 同居生活では、ストレスや疲労の蓄積がトラブルへと発展するケースがあります。ここでは、トラブル回避に必要な考え方を2つ解説します。 適切な距離感を保つ 高齢の親との関係では、近づきすぎず、遠すぎずの適切な距離感が大切です。生活様式を擦り合わせるのは大変で、悩みは尽きません。また、介護が始まれば、ストレスを抱えて親に辛くあたってしまうこともあるでしょう。 たとえ愛情があっても、近づきすぎると互いのトゲで傷つけあう「ヤマアラシのジレンマ」に陥ってしまいます。そうならないためには、距離を空ける、昔の親子の関係ではないと考える、できることは親にやってもらう、などの割り切りも必要です。 がんばり過ぎない 親の世話をすべて自分で抱えまず、周りに協力してもらうことも大切です。できる限りのことをしたいと介護をがんばり過ぎてしまうと、やがて肉体的にも精神的にも消耗してしまいます。 家事・介護・仕事の両立は困難なので、他の家族や介護サービスなどを利用して、周りに協力してもらいましょう。ストレスを解消できる時間を持つなど自分を大事にすることも、同居生活を上手く続けるコツです。 同居以外の選択肢もある 高齢者の親との同居を選ぶことだけが正解ではありません。ここでは、高齢者向けのサービスを利用する方法を解説します。 見守りサービスを利用する 見守りサービスとは、直接訪問やITツールの活用などの方法で、一人暮らしの親の健康や安全を確認してもらえるサービスです。 サービスの内容は多岐にわたります。緊急時に駆け付ける訪問型や、食事や生活用品を届ける宅配型は、人が派遣されるタイプです。 また、ポットや照明などのオン・オフを感知するセンサー型、定期的に自動音声の電話をかけるオート電話型、室内を映すカメラ型もあります。これらは遠隔で住人の状態をチェックでき、利用料が安いのが特徴です。 近居を選択する 同居が難しい場合に、親を呼び寄せて近くに住んでもらう方法があります。「近居」と呼ばれるこの方法は、電車や車で1時間以内の場所に住んでもらうのが一般的です。 近居を選択する世帯は増えてきました。そのメリットは、適度な距離感やプライバシーを保てることです。また、親の健康状態を自然に見守れることや、逆に子育てを手伝ってもらうなど、助け合いの関係を築きやすいメリットもあります。 普通の一人暮らしをしてもらうのが心配な場合には、以下の施設に近居してもらう方法もあります。 サービス付き高齢者向け住宅 サービス付き高齢者向け住宅とは、見守りサービスや生活支援を受けられるサービスが付いた、バリアフリー構造の高齢者向け住宅です。略して「サ高住」とも呼ばれます。入居条件として、60歳以上で要介護度が低いなどが設定されていることが一般的です。 サービス付き高齢者向け住宅は、食事サービスや部屋の掃除などの手厚いサポートを受けながら、賃貸マンションのような自由度があるのがメリットです。 有料老人ホーム 有料老人ホームは、健康型、住宅型、介護付きの3つのタイプがあります。 健康型は自立型とも呼ばれ、現在は健康に生活できているものの、将来は介護を受けたい人が入る施設です。住宅型は要介護状態の範囲が決められていることが多く、一般的に、状態によって利用施設を移動します。介護付きの有料老人ホームは、介護・看護職が常駐しており、生活の世話と医療を受けられる施設です。 サービス付き高齢者向け住宅との大きな違いは、介護を受けられることです。そのため、初期費用と利用料が高い傾向があります。 まとめ 一人暮らしをする高齢者は年々増加しています。お互いのストレスや負担が増えることもある同居では、周りの助けも借りましょう。近居や見守りサービスを利用する方法なども選択肢です。 大阪ガスセキュリティサービスでは、近畿圏で「おまもりコール」・「あんしんお元気サービス」をはじめとした高齢者向け見守りサービスを提供しています。24時間365日、看護師・保健師による健康相談をご利用いただくことが可能で、緊急通報時には駆けつけや救急の手配を行います。 また、自宅のセンサーに一定時間反応がなければ自動通報されるサービスもあり、安心してご利用いただけます。 離れて暮らす高齢のご両親の生活をサポートするサービスをお探しなら、まずはお気軽にご相談ください。 大阪ガスセキュリティサービスの資料請求はこちら お問い合わせ 資料請求