NEW 2021/10/07 防犯 店舗は窃盗や不法侵入などの標的になりやすく、万引きの発生リスクもあります。犯罪によっては売上だけではなく従業員の安全が危ぶまれることもあり、店舗運営において防犯対策は不可欠です。そこで、この記事では、実際に起こりやすい犯罪例や防犯対策のポイントなどについて解説します。企業のセキュリティ担当者や店舗オーナーはご参考にしてください。 目次 店舗の防犯対策とは 店舗ごとに起こりやすい犯罪 店舗犯罪の現状 店舗侵入の防犯対策 万引きの防犯対策 内引きの防犯対策 防犯対策を行うときの注意点 まとめ 店舗の防犯対策とは お金を店内などで保管し夜間が無人になることも多い店舗やオフィスは、侵入窃盗として狙われやすく防犯対策は必須です。特に、店舗などは無人となる閉店時間や休日など、犯罪者が欲しい情報を簡単に知りやすいため、万全な注意を払う必要があります。 すでに防犯対策に取り組んでいる店舗でも、従来の方法では近年の多様化した犯罪に対応できない場合もあることから、十分に気を付けましょう。 店舗ごとに起こりやすい犯罪 実際に起こりやすい犯罪とはどのようなものでしょうか。ここでは、主な犯罪例を店舗のタイプに分けて紹介します。 飲食店 さまざまな業種のなかでも、飲食店は侵入窃盗の発生が比較的多い傾向があります。犯行のタイミングとして狙われやすいのは営業終了後で、金庫破りや強盗などの犯罪が多く見られます。また、提供している飲食に異物を混入されたり、駐車している車が車上荒らしを受けたりするなど、営業中に被害を受ける事例もあります。 スーパーなどの大型店舗 スーパーやショッピングモールなどの大型店舗では、休日明けの深夜などを狙って金庫を保管している事務所に侵入し、ものの数分で店外へ盗み出される被害が発生しています。 一方、営業時間内に多く見られる犯罪が万引きや車上荒らし、食品売り場や寝具売り場などでの異物混入などです。 店舗犯罪の現状 ここでは、店舗の犯罪対策に取り組むために把握しておきたい店舗犯罪の現状について解説します。 侵入窃盗犯罪の5分の1が店舗・事務所 警視庁が公開しているデータによると、警察などの捜査機関で認知している侵入窃盗の発生件数は、2003年にかけて上昇していたものの、2003~2019年においては減少傾向です。 また、侵入窃盗の犯罪が発生している場所は、一戸建住宅が全体の37%を占め最多ですが、続く一般事務所も全体の13.1%、商店は全体の6.5%となっています。つまり、発生が認知されている侵入窃盗犯罪の19.6%が、店舗やオフィスで起きているということです。 ※参考:データで見る侵入犯罪の脅威|警察庁住まいる防犯110番 防犯対策で犯罪が減少している 犯罪認知件数が減少傾向に変わった理由は、犯罪手口にあった防犯対策が行われるようになったからです。 たとえば、警察白書で空き巣の侵入手段別認知件数の推移をみると、2004年に133,159件だった件数が2017年には約5分の1である25,557件まで減っています。2004年は侵入者へのセキュリティ強化につながる、防犯性能の高い建物部品の普及が積極的に始まった年で、部品の導入などが犯罪件数の減少につながったことがわかります。 ただし、対策に取り組む際には犯罪を発生させない抑止策の導入とともに、発生したときに対応できる仕組みも整備しておくことが重要です。 ※参考:平成30年版警察白書|警察庁 店舗侵入の防犯対策 店舗侵入の犯罪を防ぐためには手口を知り、それに応じた対策を取ることが大切です。店舗への侵入手口は、ガラスを割る方法、錠前を壊す方法、施錠していないタイミングを見計らって侵入する方法と主に3つあります。 戸締りを徹底する 店舗侵入の防犯対策として基本となるのが施錠です。施錠を徹底するためには、いつの施錠を誰が責任を持って行うかといったルール作りが重要となります。ルールがないと施錠の責任を他人頼りにし、結果として誰も施錠しない恐れがあるからです。また、無人となる時間帯にも照明をつけて人がいると思わせるなどの対策も、防犯につながります。 防犯ガラスを使用する 防犯ガラスは通常のガラスと比べて破壊するまでに時間がかかるため、ガラス破壊による侵入の抑止策となります。犯行に時間がかかることは犯罪者にとってリスクが高く、犯行を諦めさせるきっかけになるからです。ガラスよりも強度が高いアクリル製のものに替えたり、割れたガラスの飛び散りを抑える飛散防止フィルムを使用したりすることも対策となります。 防犯カメラを設置する 防犯カメラの設置は侵入を試みている犯罪者に、監視しているというプレッシャーを与えられるため有効です。同じ犯罪対策のためのカメラでも、監視カメラは犯罪が起きた後に犯人を特定するためのもので、犯罪を未然に防ぎたいときには防犯カメラが役立ちます。防犯カメラを使用する際には、犯罪者の目につきやすく死角がなくなるような場所に設置しましょう。 侵入検知センサーを設置する 閉店後の店内に侵入者があったときのために開閉センサーや振動センサー、動きや体温などを感じ取る人間センサーなど、侵入検知センサーを設置しておくと安心です。センサーには、侵入者を検知すると警音が鳴るだけのタイプもあれば、連携する警備会社に連絡し、現場で犯罪者に光で威嚇を与え、画像証拠を残して警察に通報までしてくれるものもあります。 万引きの防犯対策 万引きは、この後に紹介する方法のように、犯罪が発生しにくい環境を作ることが防止策になります。 従業員を増やす 他人に見られているのに堂々と万引きをする人は通常いないため、店内に人の目が行き届く環境を作れば万引きを抑止できます。具体的には、従業員を増やして巡回を十分にできる体制を整えたり、目立つ場所に防犯ミラーや防犯カメラなどを設置して、店内に死角をなくしたりする方法があります。 お客様の顔を見て声かけをする 従業員がお客様に「いらっしゃいませ」などの声かけを積極的に行うことは、万引きを未然に防ぐための基本の対策です。声掛けは、すべてのお客様に向けて目を合わせながら行うことがポイントとなります。自社の従業員は常にすべてのお客様に目を向けていて、お客様の顔をしっかり認識していることをアピールするためです。 防犯カラーボール・防犯シールを設置する 人目に付く場所に防犯シールを貼ったり、防犯カラーボールを設置したりすると万引きを防げる場合があります。「防犯警戒中」などと書かれた防犯シールは、防犯意識の高さのアピールになるからです。 また、防犯カラーボールは人などに当たって割れると、中に入っている特殊な蛍光塗料が出て付着するため、万引き後に追われる状況になっても捕まりやすいと思わせる効果があります。 店全体を見通せる・外から見えるデザインにする 店の内外から店舗全体を見通せるデザインにしておくことは、万引きの抑止につながります。万引き犯が罪を犯すときに店外などまで警戒エリアを広げなければならず、犯罪しにくい環境になるからです。 具体的には、外からでも店内が見えるように透明な窓ガラスを採用する、店舗の照明を明るくする、ラックを視線の邪魔にならない高さに設置するなどの方法があります。 内引きの防犯対策 内引きとは内部の人間つまり従業員による不正行為や着服などの犯罪です。店舗で取り扱っている商品やレジにある金銭などを盗む行為などが該当します。ここでは、内引きの犯罪を防ぐための2つの対策を紹介します。 レジに防犯カメラを設置する 内引きを防ぎたい場合には、レジやバックヤードなどに防犯カメラを設置することが必要です。防犯カメラの設置には、監視されていることを従業員に自覚させて犯罪を遂行させない目的があります。そのため、死角も見える位置に設置するだけではなく、防犯カメラがあることを誰でも気づける場所に置くことも大切です。 レジ内の金額・帳簿・在庫数を確認する レジにあるお金の合計や商品在庫数と帳簿が、それぞれあっているかを定期的に確認することは内引き対策になります。特に、内引きで狙われやすそうな商品の在庫数は頻繁に確認し、管理を徹底しておくことが大事です。 店舗の商品や金銭が普段からしっかり管理されていると、内引きの早期発見につながるだけではなく、従業員が発見を恐れて罪を犯しにくくなります。 防犯対策を行うときの注意点 防犯対策の失敗を避けるためには、次の2つのポイントを押さえて実行するとよいでしょう。 防犯マニュアルを作成して社員教育する 防犯対策は中途半端な対応をすると、失敗したり従業員の身に危険を生じさせたりする恐れがあります。実行する際には店舗全体で意識を高めて、徹底した取り組みを行うことが大事です。防犯マニュアルの作成や事前の社員教育を行うなどして、すべての従業員に対策の内容をしっかり理解させ、正しく連携した対応ができるようにしておきましょう。 従業員が辞めたときは暗証番号を変える 従業員が辞めたらすぐに暗証番号や鍵の保管場所を変えることも、店舗やオフィスのセキュリティ強化には必要です。また、退職する従業員に合鍵を預けていた場合には、辞める前に忘れずに回収しておきましょう。店舗の事情を知る従業員が退職後に店内に侵入し、罪を犯す可能性もあるからです。 まとめ 店舗やオフィスはさまざまな犯罪が起こるリスクがあり、犯罪が起こると利益や従業員の安全に大きな影響を与えかねません。そのため、万全に防犯対策を取ることが大切です。 大阪ガスセキュリティサービス株式会社は、機械警備や防犯カメラ、入退室管理システムなどを組み合わせたオーダーメイドの店舗・オフィス向けセキュリティをご提案します。セキュリティ導入から現行の防犯対策見直し・コストダウン提案まで、お客さまのご予算・ご要望に応じて防犯設備士がきめ細やかにプランを設計いたします。 防犯対策についてご検討中の方は、まずはお気軽にご相談ください。 大阪ガスセキュリティサービスへのお問い合わせはこちら お問い合わせ 資料請求