NEW 2021/10/07 防犯 防犯カメラの保存期間は、記録媒体に備わる容量・画素数・フレームレートなどの複数の要素によって異なります。この記事では、開業を検討している人や店舗オーナーに向けて、防犯カメラで録画した映像の保存期間はどれくらい必要なのかについて詳しく解説します。また、防犯カメラの設置場所の目安なども解説しているため、設置する際のご参考にしてください。 目次 防犯カメラのデータを保存する期間の目安とは 防犯カメラはさまざまな要素でデータ保存できる期間が異なる 防犯カメラの設定や性能による保存期間の違い 店舗の防犯カメラの保存期間に関する注意点 バックアップを取っておくことがおすすめ 防犯カメラやレコーダーの選び方 防犯カメラとレコーダーの料金相場 まとめ 防犯カメラのデータを保存する期間の目安とは 防犯カメラの映像データの保存期間は設置する場所によって異なるのか、以下で詳しく解説します。 設置場所や目的に応じて保存期間を設定する 防犯カメラの映像の保存期間は、法律などでは定められていません。しかし、設置する目的や業務形態などによって、ある程度目安となる保存期間があります。たとえば、製造工場の場合、商品に不具合や異物混入などの問題が起こった際、検証するときに映像が用いられるため、1~2年間の保存が必要になるケースも少なくありません。 一方で、マンションのエントランスなどに設置する場合は、事故や事件などがない限り映像を見返すことがないことから、長期間の保存は必要ないと判断できるでしょう。 自治体によってガイドラインがある場合も 防犯カメラの映像データの保存に関する国の規定はありませんが、独自のガイドラインを推奨している自治体があります。たとえば、駅や街などに防犯カメラを設置している自治体などが挙げられます。店舗や事業所などに防犯カメラを設置する場合は、管轄の自治体でガイドラインなどが定められているか確認しておきましょう。 防犯カメラはさまざまな要素でデータ保存できる期間が異なる 防犯カメラの映像データの保存期間は、基本的に店舗オーナーや事業主が決められます。先述したとおり、レコーダーの種類・データ容量・画素数・フレームレートなどの要素によって、保存が可能な期間は変わってきます。 デジタルレコーダーによって保存期間が変わる レコーダー内部に搭載されている記憶媒体の種類によって、容量の大きさや映像データの保存期間は大きく左右されます。記憶媒体の容量が大きくなるほど、長期間の録画も可能です。ただし、記憶媒体の容量だけでなく、接続するカメラの台数によっても保存期間は変わります。たとえば、1つのレコーダーを複数のカメラで共有している場合は、1台ごとに録画できる期間は短くなります。 画素数(映像の品質)によって変わる ディスプレイに映る映像や画像は、点の集合体によって構成されています。画素数とは、点の数を意味する言葉です。画素数が多いほど、きめの細かい映像や画像を映し出せるメリットがある反面、データ量が大きくなるため録画したデータの保存期間は短くなります。また、画素数が減るほどデータ容量は小さく、保存期間は長くなりますが、画質は低下します。 フレームレートによって変わる 静止画をつなげることで滑らかな映像が生まれます。1枚の静止画のことをコマと呼びます。フレームレートとは、1秒間の映像に用いられるコマ数のことです。フレームレートが大きくなればコマ数も増えてデータ量が大きくなるため、保存できる期間は短くなります。防犯カメラの映像を長期間保存したい場合は、フレームレートの大きさにも配慮する必要があります。 防犯カメラの設定や性能による保存期間の違い 保存期間の長さは、防犯カメラの設定方法やカメラの性能によっても異なります。以下で種類と特徴を確認しておきましょう。 防犯カメラと繋ぐレコーダーの主な種類と特徴 防犯カメラが録画した映像を記憶させるための媒体には、HDD・SDカード・SSD・クラウドなどのさまざまな種類があります。媒体の種類によって保存期間が異なるため、それぞれの特徴を解説します。 専用HDD 専用HDDは、防犯カメラとは別に備えるタイプのレコーダーです。HDD(外付け)は、容量あたりの単価は低く、コストパフォーマンスが高いといったメリットがあります。ただし、衝撃によってデータが破損するリスクがあるほか、置き場所を確保しなければなりません。容量1TBでは約75時間の保存が可能です。 SSD SSDは、屋外に設置される防犯カメラに内蔵されているタイプのレコーダーです。ノートパソコンの記憶媒体として利用されています。HDDよりもサイズが小さく、振動や衝撃を受けても保存データの破損が少ないといわれています。静音設計になっていて電力の消費が少ないメリットがある反面、容量あたりの価格はHDDよりも高めです。1TBあたり約75時間の保存が可能です。 SDカード SDカードは、スマートフォンをはじめ、デジタルカメラやポータブルタイプのゲーム機などにも利用されるカード状のレコーダーです。小さく薄い形状をしており、価格も安い傾向にあります。ただし、1~2年といった長期間のデータ保存には向いていないほか、静電気などの影響で保存したデータが破損しやすいなどの注意点に気をつけましょう。128GBで約15時間保存できます。 クラウド クラウドとは、インターネット上のスペースにデータを保存できる仕組みや保管サービスを意味します。利用する容量の大きさによって、高額な費用がかかります。契約によって利用したい容量を増やせるうえに、パソコンだけでなくスマートフォンなどのデバイスの共有も可能です。ただし、インターネット環境によって保存できない場合があります。保存期間は契約内容によります。 店舗の防犯カメラの保存期間に関する注意点 店舗に防犯カメラを設置する前に、映像データを保存する期間について把握しておくことが大切です。注意点を以下で解説します。 複数の防犯カメラを設置することで保存期間が変わる 1台のレコーダーに対し、複数の防犯カメラを設置できます。設置可能な台数はレコーダーの種類によって異なり、4台・8台・16台などの上限が設けられています。複数の防犯カメラで1台のレコーダーを共有する場合は、接続台数にも注意しましょう。複数の防犯カメラを設置した場合、録画時間や保存期間が少なくなるため、台数だけでなく保存したい期間も考慮することが重要です。 画質を落とさずに録画可能期間と保存期間を延ばす方法 なるべく映像データの画質を落とさずに長期間保存したいという場合は、HDDを増設する方法がおすすめです。HDDは簡単に増設できるため、台数を増やした分だけ保存可能な期間を長く延ばせます。長期間の防犯カメラ映像の保管が必要な工場や建築現場などへの設置にも有効です。ただし、保存可能な期間は撮影場所などの条件によって増減する可能性があります。 動体検知機能付き防犯カメラの注意点 防犯カメラのなかには、動体検知機能といって人や物などの動きを検知できるタイプのものがあります。動体検知機能付き防犯カメラを利用する場合は、設置場所に注意が必要です。たとえば、本来人の出入りが少ない場所への設置には向いていますが、人通りが激しく、人や物の動きが多い場所では検知機能が常時動作し続けるため、保存できる時間が短くなる可能性があります。 バックアップを取っておくことがおすすめ 防犯カメラやレコーダーが何らかの原因で映像データが破損する可能性があるため、以下で解説するバックアップを取っておきましょう。 専用HDDに保存した場合 専用HDDに保存した映像データのバックアップを取るためには、USBバックアップ機能を搭載しているHDDであることが前提条件です。具体的な手順は、以下のとおりです。 1.USBメモリをHDDの挿し込み口に挿し込む 2.バックアップを取りたい映像データを選ぶ 3.USBメモリに映像データを保存する SDカードやクラウドに保存した場合 SDカードやクラウドに保存した映像データのバックアップは、それぞれから直接データを取り出す方法で行えます。SDカードの場合は、パソコンにSDカードを挿し込み、バックアップを取りたい映像データをパソコンへ取り込みましょう。クラウドに保存した映像データは、専用のソフトを利用するとインターネット回線を通じてバックアップが取れます。 防犯カメラとレコーダーの選び方 防犯カメラやレコーダーは、種類によって録画できる時間や保存が可能な期間、用途ごとに向き不向きがあるなど、特徴が異なります。自社に合った製品を選びたい場合は、利用する目的を明確にしたうえで、録画時間や保管が必要な期間などに適した種類を選ぶようにしましょう。また、価格や防犯カメラを設置する際にかかる費用なども考慮して選ぶことが大切です。 防犯カメラとレコーダーの料金相場 業務用として販売されている防犯カメラの料金相場は、1台あたり数万円程度です。100万画素以上の画素数を求める場合は、6万円以上が目安のひとつになります。 一方、レコーダーの料金相場は、1台数万円程度とされていますが、性能が高いものでは数百万円にも上ります。防犯カメラとレコーダーは、どちらか一方に性能が偏ることなく、バランスの取れたものを選ぶことも重要です。 まとめ 店舗などに防犯カメラを設置する場合は、目的や性能の高さ、録画できる時間や保存期間、価格なども考慮して選ぶようにしましょう。防犯システムを導入する際は、防犯のプロへ相談することをおすすめします。 大阪ガスセキュリティサービス株式会社は、お客さまのご予算・ご要望に応じて防犯設備士が最適な防犯カメラ・設置プランをご提案いたします。また機械警備の組み合わせで、より強固なセキュリティ対策も可能です。 店舗の防犯対策についてご検討中の方は、まずはお気軽にご相談ください。 大阪ガスセキュリティサービスへのお問い合わせはこちら お問い合わせ 資料請求